世田谷線ICカード、「せたまる」を使う

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 先日、東急世田谷線で2002年7月より使用開始になった「せたまる」というICカード式乗車券を入手した。
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▲これがせたまる。

 カードの方式はJR東日本のSuicaと変わらない。やはりSonyが開発した「Felica」を使用したシステムのようだ。上の画像はせたまるの回数券だが、もう一種類、「せたまる定期券」もある。

 このカードも、JR東日本のSuicaのように読取り機にタッチすれば運賃が引かれ、残額が足りなくなれば自動販売機に挿入して積み立てできる。繰り返し使用でき(注1)、デポジット(預かり金)は500円。販売額は2000円(回数券、デポジット含む)だ。もちろん、定期券なら手数料を払って再発行も可能。

 実際に使ってみて思ったのは、「なぁんだ、JRと変わらないじゃないか」。

 世田谷線は全区間均一運賃(大人130円、小児70円)、バスと同じで車内に運賃箱がある。改札があるのは下高井戸、上町(上り)、三軒茶屋のみでそれ以外は無人。当然、車内入り口付近には複数のせたまる読取り機が設置してある。改札がある駅では改札で1回タッチし、車内ではタッチの必要なし。均一運賃だから1回タッチすればおしまい。バスの共通カードの設備と大して差のない印象だった。

 下高井戸に向かう電車に乗車中、「回数券のくせに、プレミアもつかんのか」と思っていた。しかし、読取り機を見ていて「ポイント/点数」という表示を見つけた。なんじゃこりゃ?

 下高井戸に着き、券売機の横をとおると、「ご利用案内」のパンフレットがおいてあるのを見つけた。その中に、せたまるで電車に乗ると、乗車1回につき1~4ポイント(下表参照)がたまり、10ポイントになると乗車1回分がタダになるとか。(注2)これが読取り機に毎回表示されるのだ。

 要するに回数券のおまけ分をポイント制にしたってことね。乗車1回でたまるポイントは乗車時間帯によって違うようで、最大の4ポイントがつくのは土休日。普通、私鉄の回数券が土休日用だと14枚になってくるのとほぼ同じこと。ただし、せたまるなら利用時間を制限されない。いつもは土休日に使うけど今日だけ平日に使うなんて時もそのときだけ130円現金で、なんて必要なし。便利だ。

ポイントについてまとめてみると…
平日初電~10時・平日16時~終電 … 1ポイント
平日10時~16時 … 2ポイント
土休日 … 4ポイント

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 そして、せたまるのもうひとつの特徴(?)というのは、無人駅だと、「せたまる確認機」が乗車口付近に設置してある点。乗車前に、残額、ポイント数、有効期限(定期券のみ)を確認できる。この機械は内容チェックのみなので、利用回数は引かれないし、ポイントが加算されるわけでもない。

 このせたまる確認機、ついでに現金の積み立てもできないので本当に「確認機」というわけだ。便利そうで…便利なのか?もしカード残額が不足の場合は、有人駅の自動販売機か車内の運賃箱に付属した入金機で入金が可能。(注3)

 JR東日本のSuicaのように履歴印字などはできるのか未確認だが、個人的な感想として、「せたまる購入時、購入のボタンを押す前に領収書ボタンを押さないと領収書が出てこない」というのはいただけなかった。JRの機械に慣れてしまったせいか。また何か気づくことがあれば、ここに足していこうと思う。

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(注1)追加入金は1000円、3000円、5000円の単位で入金可能。積立限度額は10000円。

(注2)累積10ポイントにつき1乗車分の運賃を還元してくれるサービスは、追加入金時にはじめて還元されるとのこと。つまりはポイントためたら特典もらいに交換に行くようなもの。

(注3)車内での入金は1000円の単位のみ可能。